旅の重さ - 三十三観音巡礼の狭間に
昨年、いろんな想いから始めた三十三観音巡礼。
その根底には四国八十八ヶ所、お遍路巡礼への憧れが実はある。
心のどこかでずっと行ってみたいと思い続けているのだ。
四国の夏、照りつける太陽、むせ返るような緑、したたる汗。
意識としての生と死を行き来するような非現実感、
そこに暮らす人々との出会い。
お遍路は自分にとって「旅」の本質のようにすり込まれている。
好奇心と開放感と挫折と無秩序と不可思議に、
胸が締めつけられるほどの高揚を感じるのだ。
ロードムービーにひどく惹かれるのはそのためなんだと思う。
そう。
僕のなかに「四国巡礼」と旅のイメージが強く深くリンク付けられる
きっかけとなったのが、『旅の重さ』という映画だった。
1972年の映画だから、まだ14歳だったことになる。
ロードムービーという言葉はきっと知らなかったけれど、
新鮮でみずみずしく、おおらかでエロティックで…。
というか、性への関心が日増しに強くなる(笑)年代にとって、
最後の要素が心に強い印象を残す理由として一番大きかったのだろうな。
いずれにしても映画が封切られてから40年が経つ。
どこかで、その頃に置き忘れた何かを、
今取り戻そうとしているのかもしれない。
iTunesで200円でレンタルできる。
もう一度観てみよう。
『旅の重さ』1972年 松竹株式会社
監督:斎藤耕一
出演者:高橋洋子/高橋悦史/岸田今日子/三國連太郎
主題歌:吉田拓郎「今日までそして明日から」