好きな臭さ

言戯: 臭いもの嗅ぎたさ

誰にでも、「大好きな臭さ(くささ)」があるはずだ。

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多くの人が「くさ〜」と眉をしかめ、鼻をつまむニオイでも、
ある人にとってはすごく好きなニオイというものがある。
僕にとっての「大好きな臭さ」は…

硫黄。

山形であれば蔵王温泉の町中に立ちこめる、
あの「卵がくさったような臭い」である。
卵も大好きな僕としては、大好きな硫黄の臭いを、
大好きな卵に比喩した(仮に腐っていたとしても)
「卵がくさったような〜」という表現そのものが悲しいのだが。

最近の温泉は、例の温泉詐称問題は別としても、
源泉をろ過し、加水しているところが多く、
良くも悪くも「温泉らしさ」が薄れてきているが、
あの硫黄の臭いだけは、堂々温泉という感じがしてクラクラする。
正確には、
酸性・含鉄・硫黄ーアルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉(強酸性硫黄泉)。

蔵王をはじめ、硫黄泉に入った後、たとえば自宅に帰り着いてからでも、
シャツの胸元を開けると、硫黄の残り香がプンと漂ってくる。
思わず、自分の鼻をシャツの中につっこみスー、ハー、スー、ハー。。。
ヘンタイ!と言われようが、まさに至福の一瞬なのである。


ちなみに、蔵王温泉で使ったタオルをそのままにしてると、ボロボロになるし、
金属はあっという間に黒サビ化する。
高校生の頃、蔵王から通ってる友人のガクランの金ボタンが、
黒くてカッコ良く、わざわざボタンを預けてサビらせてもらった思い出がある…。