絶景...絶壁...一念峯

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建築写真撮影のことのほか、
あまり仕事のことは書かないブログなんだけど、
これはちょいと(スゴく)面白いので。

某銀行さんの情報誌を夏冬の年2回、
すでに16年も担当させていただいているのだが、
今年の特集企画は「家族で気軽に登れる低山登山」に決定。
取材記事に限らず、自分で書くものは、
基本的に実際に自分で行ってみる、食べてみる、やってみるが
必須と決めている。
情報はどこかから得られても、その場の空気を知ることで、
書けることが違ってくる。
違ってなくても読む人に必ず伝わると愚直に信じている。
テキトーな僕でもそれだけは譲れない、言わば「仕事の流儀」。

で、掲載8山を予定して取材するも、
こりゃ家族じゃ危険だなと判断し掲載不可とした山が2つある。
結局10山を登ったワケであるのだが、
掲載しなかった山の1つが「一念峯」。
すでに本誌が発行されているので、僕個人のコンテンツとしてご紹介。
 
 
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「一念峯(いちねんぼう)」は「一年峯」とも書き、
慈覚大師が開山し1年間篭ったと伝えられる。
米沢市長手、上海上(かみかいしょう←絶対に読めないね)集落に
登山口があり、山頂は高畠町との境界。
麓から見ても分かるが、奇岩を森が覆ったような山姿。

登山口に辿り着き、道端の空いてるスペースに
車を停めてさっそく歩き始めるが、
すぐ左手の登りは神社への道ですぐに行き止まるので注意ね。
まっすぐ農道に沿って歩いていくのが正解。
しばらく行くと、荒れた参道と石灯籠やらが現われる。
いかにも修験場、宗教の山といった風情。

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松くい虫の被害がひどいらしく、伐採された松が、
登山道をいたるところで塞いでいる。
「登るな」という意思表示なのか、
単にあとで運びやすいように道上に置いてあるのか分からない。
「入山禁止」的な看板はどこにもなかったので、たぶん後者かな。
小さい沢を渡ると参道から登山道に。
 
 

ここからが、一念峯の面白さ。
まず現われるのは「雲岩」、続いて「機織岩」。

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そこを過ぎて尾根に登ると、左手に、山頂の奇岩が間近に見えてくる。
登り始めから30分経っていない。

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あちこちで伐採された松の丸太にジャマされながら、
尾根伝いに行くと、「屏風岩」。
ガバッと眺望が開けて岩畳の上に出ると、
この山中で一番不思議なカタチをした「幕岩」。
まるで、ビッグウェーブのように見える。
僕なら「波岩」って名付けただろうな。

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「梯岩」を文字通り登り、「縁結び岩」をすり抜け、
前後左右360°の眺望がきく「天狗相撲岩」に出ると、山頂はもうすぐ。

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ドーン!
 
 
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広さはおよそ3畳ほど、絶景なれど絶壁。
高所恐怖症ではないのだけれど、
空気のいいところで吸う最高のタバコが全然美味しくない。
そのくらいドキドキ落ち着かない、あははは。
奥の巨岩の上が本当の意味で「頂」なのだろうし、
裏に回って「紙飛し岩」から登れるようでもあるのだが、
いいよね、もう(笑)
 
 
登山口から山頂までは1時間程度。
他にも奇岩がたくさんあって、
子どもたちはきっと興味津々だろうけどねぇ...。
 
 
自己責任で行ってみたいという方は、ぜひぜひ!
こんなにカンタンに「自然の不思議」と「身の危険」を
味わえる場所はなかなかないんじゃないかなぁ(笑)

GPSログ>> ichinenbou.kmz