絶句...絶望...文珠山
「一念峯」のタイトルに合わせてみたので
ちょっとオーバーな表現になってるけど、遠からず。
ここも某情報誌の特集候補にあげたのだが、
実際に登ってみてガッカリ至極。
行政の悪しき面が集約されてしまっている感が。
なので、一念峯が、面白過ぎて掲載を諦めたのと違い、
こちらは、絶対掲載なんかしないぞって反感モードのエントリー。
【お断り】2012.6.27 9:00追記
・掲載NGを決めたのは取材者本人の判断です。
・このエントリーはあくまでも個人のコンテンツで、
クライアントの意思とは全く無関係です。
以上、ご了承下さい。
さて。
「文珠山」はあの亀岡文殊の背後に控え、
修験の山としても知られる。
奥の院は文殊堂のすぐ裏山にあるので、それとは別。
で、この山もその成り立ちや佇まいが興味深かったし、
家族で気軽に登れる山特集にピッタリじゃないかぁと判断。
登ってみた。
この日同行してくれたのは、
Twitterで知り合った山登り大好き「大人の遠足部」隊長。
(なんかよく分かんない肩書き...笑)
どんな低山でも、一人で登るより日頃から山歩きしてる人の同行は
とても頼もしいし、なにより楽しい。
というわけで、亀岡文殊の駐車場に車を置き、
さっそく登り始める。
とりあえず道案内の看板はあるが、
スキー場跡の辺りの平場から下刈は全くされてない。
駐車場から歩き始めて15分ほどで、急斜面に取りつく。
ここがまたヒドイ。
急斜面はしょうがない。山だからね。
しかし斜面に対してほぼ直登ながら土留めもなく、ロープもない。
なんて言うかな、配慮とか気配りとか、
「まほろばの里霊山トレッキング」などというコース表示をする
責任みたいなものが感じられない。
「登れるなら登ってみぃ」的、チャレンジ精神を煽る的、
そんな山も物好きには実は面白い。
が、それとも違う。
看板立てた、はいお終い、5時になったから家帰ろう。
どうせ俺ら登らないし...みたいな?みたいな。
う〜ん、行政の観光担当や観光協会の皆さんには申し訳ない。
頑張ってる人を僕もいっぱい知ってる。
でも、ここ登ったら同じこと思いますよ。
子どもたちが登れる?
大人限定だとしたって、無理だって。
...なんて暗澹たる思いと(ここ下るのはもっと危ないなぁ)と、
息ゼエゼエで考えながら尾根にようやく辿り着く。
ここからしばらくは尾根沿いを歩き、
岩場にさしかかるとババ〜ンと置賜盆地の眺望が開ける。
おお、気持ちいい!
...確かにそうなんだけど、ここまでの道、
ここからの道、ずっとボロボロになったビニールテープが、
木にまとわりついて醜悪な景色を繰り広げる。
要するに「入山禁止」の印。
「ここ俺の山だからねーマツタケ出るからねー入んなよー」って印。
だからさ、分かるよ、分かりますよ。
大切な収入源、あなたの持ち物だし、盗む悪いヤツがいるってことも。
*そもそも「山」が誰かのモノであるということ自体、
僕にはよく理解できないのだが。
*そもそも、あんなロープ張ったって、盗もうと思えば
いくらでも入っていけるのだが。
それにしても惨憺たる風景。
大人の事情に百歩譲っても、子どもたちに見せたくない。
同行者と交わす言葉は、
「これはヒドイね」「これはないわ」「あんまりだよね」
そんなことばかりの登山。
せめて虎ロープとかにできないのですか?
しばらくそんな思いで登ってると、別の尾根にぶつかる。
左に行けば文珠山山頂、右に行けば鈴沼方面への修験道コース。
案内板にしたがって山頂に向かうとすぐにまた眺望が開ける。
こちらからは高畠町を一望。山頂は目の前。
山頂には羽山権現を祀る社が建つ。
その周囲は鎮守の杉に覆われ、眺望は皆無。
なんとなく達成感もなく(笑)お茶を飲みながら一休み。
予定では来た道を戻るコースだったのだが、
もうここは掲載しないと早くに決めていたので、
かなり長い道のりになることを承知&覚悟のうえで、
鈴沼の方へ降りてみようと歩き出す。
すると今度は、有刺鉄線だよ、有刺鉄線!
少し急めの下り道に沿って、つい手を伸ばしたくなる位置に
この有刺鉄線が続くのだ。
つい掴んじゃうよ、これ。
腹が立つのを通り越して悲しくなる。
有刺鉄線の向こうには美しい松林が広がり、マツタケウハウハっぽい。
でも、これだってくぐれば私山にカンタンに入れる。
必要なの?
「入らないで下さい」の看板で通じないの?
そんなに人間て悪いヤツなの?
欲のためなら他人の山を犯しまくるの?
高畠町は、観光協会は、この道を、
この有刺鉄線を、しょうがないと思ってるの?
きれい事だけを言うつもりはない。
だけど、ちょっと考えてみない?
たとえばせめて緑色とか透明のネットを張るとかさ。
それも鳥などが誤って引っかかったり、
そんな経費がないというなら、
このコースを設定することそのものに疑問。
歩きながら話すのは、景色のことでも、
道のりの楽しさでも、上り下りの辛さですらない。
ふぅ。
ようやく鈴沼が見えてきた。
さらにしばらく下り道を歩き、沼沿いの道に出る。
その後、住宅街を場違いなおっさん2人、
熊鈴鳴らしながらぐるり亀岡文殊へ戻ったとさ。
もっと急な登山道かもしれないけど、
今回登りに使った「文珠山周回コース」じゃなく、
「羽山権現・修験道コース」の方が気分的にはましかもしれないなぁ。
チャレンジしてみたい方は、そのへん考慮のうえ。
ちょっと口調がキビシイのは、
消費税増税が可決される実況を見た後に
エントリーを書き始めたせいもありますです(笑)
■GPSログ>>monjuyama.kmz