中華そば「喜久家」
僕にはラーメンに関するトラウマがありました。
17年以上も前のこと、あるカメラマンと撮影で米沢に行った時のこと。
撮影が昼過ぎまでかかり、ペコペコのお腹を抱えてある一軒のラーメン屋さんへ。
午後の2時を回っていて、店にお客は僕たちだけ。
とにかく腹が減っていたため、中華の大盛りを頼んだのが運の尽きでした。
…ま、まずい…。
スープは温く、強烈な魚介の匂い。というか生臭い。
麺は茹で過ぎでふにゃふにゃ、食べてるそばからのびていく。
僕はその時、生まれて初めてラーメンを残しました。
以来、米沢エリアでラーメンを食べたことは一度もありませんでした。
「大好きなラーメンを、また残すようなことがあったらどうしよう…」
ホントにそれがイヤだった、だったら頼まない方がいい。
そう思って、ずーっと避けてきたのでした。
で、先日。
別のカメラマンと仙台に行く道すがら、クルマの中でラーメン談義に。
彼は自分でもスープの仕込みからやった経験もある大のラーメン党で、
おのずと話が盛り上がります。
ふと「米沢のラーメンは、ここ何年も食べたことない…」という話を
したところ、教えてもらったのが、喜久家でした。
米沢のラーメンは大きく分けて3種類あると思っています。
(違っていたらご指摘ください)
1つは、豚・鶏ダシがメインの一般的な中華そば。
もう1つが、魚介ダシのそんぴんラーメン。
で3つ目が、米沢らしい牛をベースにした中華そば…です。
17年前に僕が撃沈したのは、どうやら
「そんぴんラーメン」だったようです。
さて、前置きが長くなりました。
僕が17年ぶりに食べた、米沢の中華そばのリポートです。
店構えは和風のどこにでもある外観。
店の前にある松の木にちなんで「一つ待」という
小料理屋さんも併設しています。
学生中華400円というメニューも気になりましたが、
注文はもちろん中華そば。
しかも、勇気を出して大盛り(笑)
おおっ!テーブルに運ばれてきた瞬間から、
スープのいい香りが漂ってきます。
さっそくスープを…レンゲがないので、
熱いのを我慢してドンブリごと口へ運びます。
牛ダシ(正確には牛骨)ベースのコクのある香りと、
豚・鶏、さらに魚系ダシも合わせているらしく、
さっぱりすっきりと甘く、しょう油味が引き立っています。
これは、おいしい♪
麺は極細の手もみで、コシのある縮れ麺。
歯ごたえ、喉ごしとも文句ナシ。
個人的にはもう少し固めの茹で加減ならサイコー。
とにかく、おいしい♪
思わず笑みがこぼれますよ。
チャーシューも地物の天元豚を使っているそうで、
モモとバラの2種類がトッピングされています。
どちらも噛むとじわっと味が口の中に広がり、
スープといっしょに味わうと絶品。
これで500円、大盛りにしても600円は安いです!
後で調べたら、「喜久家」は、醤油味ラーメン専門店として
60年の歴史があるそうで、県外からもお客が訪れる有名店のようです。
17年間引きづったトラウマが、溶けていく〜♪
■喜久家
山形県米沢市大町3-4-7
0238-23-0757
11時〜22時
中華そば:500円(大盛り+100円)
「(c)ちゅうかツルツルウマウマ隊」隊員No.48
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