バランスボール チェア その3

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異様な光景である。
座っているのをデスクの向こう側から見たら、
上体がボヨンボヨンと弾んだりして、
さらに異様であろうと思うのだった。

使い始めて約半月。
結論から言うと、良い。
今のところ快調に使い続けている。
ちょっとしたコツやデメリットもあるので、
その辺をまとめてみようと思う。

まずは、僕の使用環境の復習。

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A(デスクの高さ):72cm
B(デスク下までの高さ):65cm
C(バランスボールの高さ=直径):63cm
D(座って扁平した時のバランスボールの高さ):48cm
*モデル:身長165cm・体重59kg
*座った時のデスクとの隙間:Bー(D+太ももの太さ10cm)=7cm

 
 
【バランスボールをイス代わりに使用リポート】

 ─ メリット編 ─

■居眠りをしなくなる
"眠くなる"のはどうしようもないけれど、当然ながら
深い居眠り(熟睡)は絶対にできない、無理、危険。
当初の第一目的は完全に達成できている。

■背筋がきっちり伸びる
強制的に伸びるかというと、少しは意識しないとダメ。
イスにどっかと座るのに比べたら、たまに心がけるだけで、
自然に背筋が伸びた状態をキープできるようになった。
バランスボールの上で跳ねたり、腰を回したりすると、
背筋を伸ばした状態が確認しやすい。
この姿勢は身体が覚えてくれて、立っている時、歩いている時、
また違うイスに座っても、ほとんど無意識のうちに、
背筋を伸ばしている自分に気が付く。
ただし、僕はもともと姿勢が悪い方ではない。

■腰が柔軟になる
医学的な証明はもちろんないのだが、
腰回りが軽くなり、張りが減った実感がある。
ストッケのバランスチェアを使うようになってから、
持病の腰の違和感はほとんど消えているのだが、
バランスボールに切り替えても同様。

■肩凝りが軽減する
基本的に肩凝りとか縁がなかったのだが、
さすがに歳のせいか(五十肩?)ピーンと張りつめて
苦しくなることが多くなっていた。
ところが最近、美容室に行ってシャンプー後に
軽くマッサージをしてもらったら、
「今日、全然こってないですね」と。
なるほど、確かに知らない間に肩の辛さがなくなっている。
わずかな張り感はあるものの、以来、
自分で肩を揉んだりさすったりしていないのは事実。

■かなりの気分転換になる
原稿に詰まったり、キーボードから手を離して
ちょっと考え事をする時など、すかさずボヨンボヨンと
バランスボールに座ったまま跳ねてみると、
かなり楽しい、いや、気分転換できる。
跳ねながら、ついでに腰を前後左右に...。
腰が軽くなったのはこの動作のおかげかもしれない。
座ったまま右手左足、左手右足、右手足、左手足を
それぞれ上にあげてみると、思った以上にグラグラして、
バランスを取るために腰(背筋・腹筋)を使う。
足を完全に浮かせてお尻だけでバランスを取ったり、
腰を伸ばす運動などもたまに。
こういった軽運動が、仕事の合間に気軽にできるのは、
バランスボールをイス代わりにする最大のメリットかも。

 
 
 ─ Tips編(コツや注意) ─

■酔う
使いはじめは特に面白くてボヨンボヨンと
跳ねたり揺らしたりしているため、
その状態でディスプレーの文字を見続けると、
確実に気持ち悪くなる。
特に乗り物酔いをしやすい人は、やりすぎ注意。

■背中が張る
使い始めて3〜4日間は、背中の筋肉がバリバリに。
自然に背筋(せすじ)を伸ばしたり、
バランスを取るために背筋(はいきん)を
使っているせいだと思うのだが、かなりキツイ。
ここのところ落ち着いていた坐骨神経痛も出てきた。
座っているだけでも、
そうとう背中と腰に刺激があるのだろう。
ただし1週間を過ぎる頃から、ウソのように消えた。
僕の場合は。
楽チン姿勢を望む人には向きません。

■足着きは悟りの境地で
別の言い方をすれば、"ボールの真ん中に座る"ということ。
足で姿勢を支えるのではなく、バランスで姿勢を支える。
ところが、完全に足を浮かせようと意識しすぎると、
逆に背中が丸まってしまったり、
上体が反ってデスクから遠ざかり仕事できない。
あくまでもワーキングチェアなので、
足は床に着いているか着いていないか程度、
足裏に軽く床の感触...ぐらいがベスト。
座禅を組み、両手で輪をつくる時の、
左右の親指の感覚(間隔)、あれです。

■ふくらはぎの筋肉痛
前項で、足が着いているかいないかぐらい、と書いたが、
仕事に夢中になるほど前傾になる。
そうするとバランスボールは前に転がる。
この転がりや、前傾した身体を、どうしても足で
支えようとするから、ふくらはぎや足首が疲労する。
ボールの位置を調整して、ボールの真ん中に座った時、
デスクとの関係がちょうどよくなるようにしたい。

■少しずつ慣れる
僕はいきなり長時間、仕事で使い始めたのだが、
上記はそれゆえの症状かもしれない。
今まで使っているイスと1時間ずつ交換したり、
背中や腰が苦しい時は使うのを中断したりと、
最初は短時間での使用(試用)がオススメ。
自宅でという人なら、テレビやDVDを見る時、
読書する時に使ってみてからでもいいと思う。
ただし、酔わないようにね。
 
 
 ─ デメリット編 ─

■移動や回転ができない
ストッケがキャスター付きじゃないので、
僕は気にならなかったが、
キャスター付きのイスから切り替える場合は、
イスに座ったまま移動したり、
後ろを振り返ったりできないので、かなり不便だろう。

■太ももが蒸れる
バランスボールと接している太ももやお尻は、
かなり密着度が高い。
しかもバランスボールの性格上、材質はラバー。
通気性はゼロなので、意外と汗ばむ感じだ。
特に自宅で短パンなんて場合、
肌が直接触れるため不快感があるかもしれない。
まだ季節的に平気なレベルだが、
これから始まる山形の酷暑を
ボヨンボヨンしながら乗り越えられるか。

■圧迫感がある
前項の"密着度の高さ"にこれも起因するのだが、
バランスボールのクッションはかなり強い。
クッションとはイコール反発力だから、
長く座っていると太ももの裏側、
お尻が圧迫されて少し苦しく感じることがある。
ちょっと位置を変えることで解消はするが。
 
 
 ─ おまけのTips ─

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上の図はデスクを天井から見下ろしたところ。
「い」「ろ」は太ももの位置、足を出す方向を示している。
「い」は普通イスに座るように前方に出した状態。
「ろ」は大きく脚を開いて左右に出した状態。
*○のある方が膝

トレーニングとして使う場合も、
基本の座り方は「い」なのであるが、
どうしても前傾して足に体重がかかり過ぎたり、
いろんな姿勢を取りたいといった場合、「ろ」はかなり有効。
股関節が開いて気持ちいい(柔軟になる)のと、
左右に脚を開くことで前後のバランスを取るのが
非常に難しくなり、よって腹筋、背筋にかなり効く。

ところが問題は「E」、デスクの内側の幅である。
僕のデスクは両側にキャビネットがあって、68cmしかない。
バランスボールの直径が63cmで、座るとさらに扁平するから、
デスクの下で「ろ」のように脚を開くことは不可能だ。
デスクから引けばできなくもないが、
上体(手)が離れ過ぎて作業するのに現実的でない。

脚を左右に開いて座ったときの膝間「F」は110cmほど。
だから、最低でも足元フリーのスペースが120cmはほしい。
この120cmというデスク幅は標準仕様で製品がある。

事務所に使っていないデスクがあるので、
そのうちぜひ取り換えてみたい。
 
 
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