Sttoke「Actulum」ファブリック張り替え


ノルウェイのブランド、ストッケ社のバランスチェア「アクチュラム」。
(Sttoke Actulum/今はVARIERブランド)

ロッキングチェアのように見えるが(そんな風にも使えるが)、実は前傾、直立の2カ所でステイする。
そこから背もたれに身体を当て、後ろに体重を預けると、ゆらゆら。

腰が弱く腰痛予防のために、まさに清水の舞台から飛び降りるつもりで大奮発した。
かれこれ使い続けて20年以上経つ。
この椅子のおかげで、ひどい腰痛とは縁が切れた。

そのアクチュラムも、さすがに座面のファブリックがすり切れてきた。
色褪せもひどいし、もともと薄いクッションもヘロヘロにへたっている。

逆に言えば、20年以上も駆使して、ちょっとすり切れただけって凄い。
骨組み部分の白木成形合板などは全くもって頑強で、まだまだ500年ぐらい使えそうだ(笑)
さすがの、北欧プロダクツである。


ひっくり返してシートを外してみると、茶色の粉が…。
合板から出たものなのか、クッションが劣化して粉状になったのか…。




すり切れた部分のアップ。
徹夜仕事も多いデスクワークを20年以上支え続けてくれた。
それでこのほつれ程度というのは、驚きでもある。


裏を見ると、クッション交換のためのファスナーと滑り止めテープ。
前後はプラスチックのホック3カ所でシートに固定される。



購入当時はカタログに交換用の座面が載っていたはずなのだが、今取り扱っている正規代理店「Royal Furniture Collection」に直接問い合わせてみると、微細なモデルチェンジが頻繁ですでに対応不可能とのこと。

さあ、どうしよう。
椅子の張り替え業者さんでやってもらえるかなぁ?
山形市内にあるレザークラフトのお店で引き受けてくれるかな?
それとも、すり切れた部分だけ奥さんにツギアテしてもらうか…。

写真で手にしている部分、ホックと一体成形されているプラ板が中に仕込んであり、ホックだけが表に出ている。
このプラ板を再利用すれば、作り直すこともできるんじゃないか?

なんて悩んでいたら、Facebookである会社を教えてもらう。
それが、椅子工房(有)クリエイト。
かの有名な天童木工(山形県天童市)のファブリック部門が独立してできた職人カンパニーだという。

さっそく相談に行ってみた。




実は何軒かに現物持ち込んで、それぞれ話を聞き、見積りを比べてから決めようと思っていた。
その1軒目が、クリエイトだった。

事務所に持ち込んだアクチュラムを見て、「これはいい椅子だなぁ。コマ入り成形合板は難しいんだ、どこの椅子?」と、さすがの天童木工OB。そしてシートを椅子から外して手に取るなり、僕が言う前に「このプラ版使えば作れるね」。

見積もり8000円。
なあんと、座面・背面のファブリック+ウレタンクッション交換込みで!
布も在庫しているジャストなものがあり、「これ高いんだけど在庫だから同じ料金でいい」って言ってくれて、もう、これはお願いするしかないでしょ!というわけで、ほかは回らずにお任せしちゃったのでした。


待つこと1週間…。
見て見て、見て見て!新品に蘇りました。
説明は不要ですね。
上の写真と、仕上がってきた写真を見比べれば一目瞭然でしょう。






「あと30年は使えるようになる」と、対応してくれたいかにも職人なおっちゃんは自信満々だったけど、これほど完璧な出来とは思わなかった。
山形のものづくり、職人技に感服。
大切に使い続けます!

■有限会社クリエイト 023-685-5066
iタウンページ http://nttbj.itp.ne.jp/0236855066/index.html

ところで、Facebookでクリエイトのことを教えてくれたのは、加賀勝仁さん。
この加賀さんもすごい人なんです。
ご自身でセルフビルドした「森のコテージ」、建築写真撮影のギャラリーでどうぞご覧ください。
とても素敵な家です。


森のコテージ
設計・施工(Self Building):ディティール・ギャラリー 加賀勝仁
http://www.man-c.com/map/gallery/housing/entry-300.html