鉄骨表わしっ!

《七日町リフォーム》

「住まいの豊かさ」ってなんだろうと考えたときに、というか「豊かさ」の捉え方そのものが人それぞれなのは承知のうえで、僕の場合は「自由の度合い」とニアイコール。

実際の面積や容積が大きいこと(広さ)もそのひとつだけれど、狭く小さな空間でも「自由度」が高ければ豊かだなぁと思うし、薪ストーブやソーラー利用などによるエネルギーの自給、オフグリッド化も、文字通り「グリッド」からの自由=豊かさだと思っている。
ここから室内!ここから戸外!と決めつけない、あいまいな空間の「自由さ」もそう。
どう使うか(使わないかも)ある程度住み手に委ねられていること、と言い換えることもできるね。

そんなわけで(笑)懸案だった3階の鉄骨表わしは、ご覧の通り実現することに!
当初は平天井のつもりでいたのだけれど、解体されて姿を表わした美しい鉄骨を見たら、どうしても屋根勾配を活かした鉄骨表わしにしたくなってしまったのですよ。
亡くなった義父が建てた家の面影を室内に残したいという思いも叶う。
開放感も生まれる。
そしてなにより、空間のおもしろさや遊び心、天井のない自由な空間が、きっとこの家の「豊か」を象徴するなぁと。

施工の複雑さについては、かなり工夫をしていただいた。
また、外壁と接する鉄骨が、外気温を室内に引っ張ってくるため、断熱機能が多少低下することも事前に説明を受け、了承した。
だって、写真と見比べて、鉄骨を隠すように天井をつくった場合を想像してみてください。

ね!(笑)


この家の「自由」をもうひとつ。

これも3階ですが、写真の窓に面したスペースは、実はベランダだった。
もともとは右端の柱の位置に内外を仕切る掃き出し窓があり、後からベランダの外側(現状位置)に、二重にサッシを追加しサンルームとして使っていた。

サンルーム、実はそのまま残したかったのです。
内側のサッシを開ければ、外側のサッシまでが「室内」、外側のサッシを開ければそこは室外デッキ、内外両方開ければ室内と戸外が繋がる…なんと夢のようなフレキシビリティ♪(妄想 笑)
ところが、ベランダ部分の防水処理のやり直しなど工費の問題に加え、「室内を広く使えるようにした方が後々の使い勝手は高い」という瀬野さんからのアドバイスあり。

そのアドバイスを受け入れた結果がこれ。大正解でした。

ほぼ、畳2畳分室内が広くなったその一角は、東南からの陽がさんさんと差し込むフリースペースに。
置き場所に悩んでいた義父の立派なデスクも余裕で置ける。
近くに小さな本棚を置くつもりでもいるから、言わばオープン書斎的な空間づかいだってできる。
暑い季節は窓を開け、寒い季節は窓を閉め、日向ぼっことビールを楽しみながらの読書…なんて、最高のゾーンに。

ベランダよりも自由度、使い勝手が高く、戸外とのつながりも保った室内空間。
お気に入りの赤いファブリックのアウトドアチェアを置いておくんだ♪

#DP1M + GW-3