すっぽこ通信 5/20号
「すっぽこ研究所通信」改め「すっぽこ通信」の時間です♪
本日は、「トリビアの泉」応募記念号として、
a主任研究員から届いた日報と、
「すっぽこ外伝」の2本立てでお送りします。
日報の方は、単なる年寄りの愚痴みたいになってますが、
面倒なのでそのままさらして掲載してしまいます。
外伝は「すっぽこ」という言葉そのものにスポットを当て、
新たな衝撃の事実に迫ってみたりしています。
さて、日報はこんな序文で始まります。
5/16号のコメントにも書きましたが、
萬盛庵を含めて6店舗あることが確認され、
いずれもエリアは近く、
老舗と言われる店であることが共通点
といったところでしょうか。
「お年寄り聞き取り調査」と合わせて、
「店主インタ」も随時おこなっていった方がいいかもしれません。
インタビューの模様はビデオに納め、
次回に開催される国際ドキュメンタリー映画祭に
出品してみてはいかがでしょうか?
「すっぽこ」を世界各国の人々にアピールできる
絶好のチャンスです!
マジで言っているのか、マジでアホなのかは不明です(所長)
< 日報 > *すっぽこ研究所 a主任研究員
もしかしたら、何かの糸口が見つかるかもしれないとう期待を抱いて、
さほどうどんが食べたかった訳でもないのに(←ここ重要)、
讃岐うどんのチェーン店「は●ま●」へ行ってみました。
しかし残念ながらメニュー表には
「しっぽく」「すっぽこ」の文字はなく、
唯一近かったのは、「ぶっかけ」くらいなものでした。
日々こんな苦労をしながら研究にはげんでいるのですが、
所長より任命を受けた助手のkazumi.wさんからは、
「何かお手伝いすることはないですか」 とか、
「こんな仮説を立ててみました。どうでしょう?」とか、
前向きな姿勢が見られません・・・。
昨日のコメントにいたっては、
「へっぽこすっぽこ研究員」と自ら名乗っている有様です(涙)。
どうも、今の若い人って・・・、 はっ!いけない、いけない。
年をとってもこの言葉だけは
絶対に口にするまいと思っていたのに、
私ったらつい・・・。 前言撤回します。
今度タイミングを図りながら、
「何かわからないことがあったら聞いてね」とか、
「こんな見解どう思う?」と、
こちらから歩み寄る努力をしてみます。
研究が山場を越えた頃には、
「kazumi.wくん、今日、帰りにすっぽこ1杯どう?」
「いいっすねー。せっかくだから、所長も誘って"すっぽり"ましょうよ」
なーんて気軽に言い合える人間関係を築いていたいものです。
注:「すっぽこり」は「すっぽこ」と「ダベリ」を合わせた若者言葉です。
以上、 日報にかえて a主任研究員(そろそろマジメに研究します・・・)。
【所長所感】
■“すっぽり”?“すっぽこり”?“しっぽり”?
まず、最初に、讃岐うどんのチェーン店侵入調査についてだが、a主任研究員の着眼点は鋭いと思う。僕も一度行ったことがあるが、この報告を受けるまで思い出さなかった。なぜなら、昼食を安くあげるつもりで入ったのに、つい欲張って食べ切れないほどのトッピングを選んでしまい、えらく高くついてしまった苦い記憶を消し去っていたためだろう。
考えてみれば、讃岐名物と地元の方が胸を張る「しっぽくうどん」がないのは、確かに腑に落ちない。以前レシピを紹介したように、ヘルシーな汁かけうどんなのだから、あって不思議ではないと思う。
ぜひ、a主任研究員には、再度来店し、「しっぽくうどん出せ〜!」と、ひと暴れしてほしいものである。
ところで、文末の「注」にある「すっぽこり」だが、本文では「所長も誘って"すっぽり"ましょうよ」となっている。明らかに間違いだろう。「すっぽり」では、なんだか全身があんかけうどんに埋もれているようだ。「すっぽこ」を「しっぽこ」とも呼ぶように、「すっぽり」を「しっぽり」と言い変えると、何やら急に色っぽい。しかし、3人でか?それも、へっぽこすっぽこ研究員とか?
…遠慮する。
■「すっぽこ」がメジャーだった時代
それよりも、a主任研究員のコメントに注目すべき一説があった。
「芋煮」にしたって、これだけで山形生まれの県民は全員「里芋」と思いますから、それに通じる、「当然ぶり」がうかがえます。もしかして・・・、「すっぽこ」にも、そこまでメジャーな時代があったということでしょうか?
僕はそうだと思う。誰もが「すっぽこ」が「あんかけうどん」であると理解できた時代、a主任研究員が言うところの「当然ぶり」がなければ、メニューに載せることはしないのではないか。単に「あんかけうどん」と書けばいいだけだ。つまり、「あんかけうどん」以上に、あんかけうどんであることをコミュニケーションできたからこそ、メニューを「すっぽこ」としたのだ…と思わざるを得ない。
■【すっぽこ外伝】 〜すっぽこが秘めた別の意味〜
ネットでいろいろな検索を試みていたら、面白い記述にぶつかった。
うどんとは別に、「この、すっぽこ野郎!」といった表現を聞いたことがあるだろう。すっぽこには、長崎卓袱が転じた言葉とは全く別の意味もあったのである。
古い関西の言葉では「まぬけ」「要領が悪い」等を意味する言葉として使われていた。また、神戸市垂水区の名谷(みょうだに)などは以前は辺鄙な所であったため、「すっぽこ(=行き止まり)谷の名谷」と呼ばれていた(http://www.geocities.jp/nachtmahr_3rd/F-tales/suppoko.html)
もうひとつ。そのお隣の播磨周辺では、
「すっぽこたん」=ど田舎(http://www.asahi-net.or.jp/~vy2k-tnk/bansyuben/bansyu.htm)、「すっぽこたに」=山奥(http://www.city.kasai.hyogo.jp/gyosei/somu/sankaku/mytown/tomiai/befu-na.htm)
という方言もあるらしい。実に面白い、しかも非常に興味深い。何が興味深いか分からない人は、神戸、播磨が何県にあるか考えてみてほしい。そう、ともに兵庫県である。兵庫県といえば、地理にさほど詳しくなくても、その周辺を思い浮かべることができるだろう。
そうなのだ!奇しくも、淡路島を挟んですぐ海の向こうは、
「しっぽくうどん」の故郷、讃岐
なのである。ヤバイぐらい面白すぎる。
山形の「すっぽこ」(あんかけうどん)が、長崎卓袱から来たものなのか、四国のしっぽこうどんから来たものなのか、なぜ「あんかけ」に変異したのかは疑問のままだが、「間抜け」や「ど田舎」「山奥」の意味で「すっぽこ」を使っていたエリアが、しっぽくうどんの起点である讃岐地方と至近距離(隣接と言ってもよい)にあるという事実は、何か重大な意味がそこに潜んでいるような気がしてならない。
「すっぽこ」が伝播したと推測される時代、山形人が「間抜け」だったとは思わない(笑)しかし、まぎれもなく「ど田舎」「山奥」であったことは間違いない。
すっぽこ研究所では、みなさんからの情報提供をお待ちしています。