すっぽこ通信 7/6号

すっぽこノリノリのすっぽこ所長です。
どうしてノリノリかというと…

ジャンジャガジャ〜ン♪


寒い季節になるまでは無理とあきらめていた、
すっぽこ実食が意外にも早く実現しましたっ!

今回はその、記念すべき実食リポートです。
 
 

ことのいきさつは、
小出家本店にラーメンを食べに行った
ことから始まります。
もちろん、7/2号の通信でも書いたように、
すっぽこについての有力な情報が
きっと得られるとの思惑がありました。

会計を済ませながらすっぽこ取材を敢行したくだりも
書きましたが、実はその時、店のおかあさんが…

うちの人は時々自分一人で作って食べてるんですよ

ともらしたのを、僕は聞き逃しませんでした。
ダメ元で、それって食べさせてもらうこと
できますかねぇ?と聞くと、あっさりと、OK。
しかもいつでもいいと言うではありませんか!

会うことなど叶わぬと思っていた大スターが、
急に目の前に現れて話しかけられたような、
驚きとうれしさととまどいと恥ずかしさが渾然となり、
現実から浮遊したような心持ちでしたよ。

さっそく研究所コアメンバーに連絡を取り、
今日の日取りを決定したのでした。

■すっぽこはこうして作られる!〈レシピ大公開〉

前日に小出屋さんに確認の電話を入れ、準備万端。午後1時半過ぎにお店に到着。出前が一区切りするのを待って、いよいよ、すっぽこをオーダー。事前に作る行程も見せてもらえるようお願いをしたので、邪魔にならないよう気を配りながら、ゾロゾロと厨房内へ。

1)そばつゆに鶏肉を入れて少し煮込む


こうすることで、そばつゆに鶏肉のダシが出て、同時に、鶏肉にもほどよく味がしみるのだ。すでに鍋からはいい匂いが鼻をくすぐり、食欲を誘う。

2)油揚げ、湯通ししたイクラ、片栗粉を入れる


油揚げは細かく刻んであるのかと思いきや、大胆にも三角に切っただけの大ぶりなまま。小出家さん独特の具、イクラは鍋焼きうどんにも入れるという。これに、一人分大さじ2杯の片栗粉を水溶きもせずにドバッと投入する。う〜ん、男の料理だ。

3)4〜5分ひたすらかきまぜる


多くの店のメニューからすっぽこが消えた最大の理由が、この行程である。お店の歴史や器のことなど、いろいろな話をしながら、ご主人の手が止まることはない。かきまぜてはトロミ具合を確認し、またかきまぜる…の繰り返しだ。実際にその様子を見ると、他の注文といっしょにはこなせないのがよく分かる。

4)茹でたうどんを水切りして器に盛る



ご主人があんかけを作っている間に、おかあさんはうどんを茹で上げていた。茹で窯から上げて、軽く水切りして器に入れる。あ〜そんな水切りじゃダメなんじゃないの、と思っていたら、再度器から出してしっかり水切りをした。なるほど、一度器に入れたのは、器を温めるためなのだと、納得した。さすがプロだ。

4)うどんの上からあんかけをかける



といっても、その前に、ゆで卵を半分に切って入れる。油揚げも器ごとの偏りがないよう、最初に4枚ずつ盛り付ける。あとはたっぷりのあんかけを注ぐだけだ。

4)みつぱをそえていよいよ完成!



ついに、ついに、夢にまで見たすっぽこが、目の前に完成の時を迎える。油揚げ同様に大きく切ったみつぱをトッピングし、出来上がりだ。思わず、お〜♪と声が出た。は、早く食べたい…。

■すっぽこを前に、所長、a主任に怒られる



完成を確認し、いそいそと席に戻ってすっぽこが運ばれてくるのを待つ。顔が自然ににやついてくるぜ!銘々のお盆に乗せられ、うやうやしくすっぽこ様の御成〜♪記念の一部始終をおさめるために持ち込んだビデオカメラやら、各自のデジカメやらで、食べる前の儀式「撮影会」が繰り広げられる。a主任もその道のプロゆえ、熱の入れ方が違うのだ。仕事でいつも使っているメモボードになにやら書き込んだり、そうかと思うと、またデジカメを構えたり。
(・・・・僕、待てません。どれどれ、まずは一口)
これは、美味い。フツーに美味しい。と、ビデオに笑顔を向けた時、a主任が叫んだ。「えーーーーー、所長、食べちゃったんですかーーーーー!何一人で先に食べてんですか!みんなで揃って“いただきます”しようと思ってたのにぃーーー!」。その顔にはまだ笑顔の名残があったが、マジで怒ってる。いかんいかんと一度箸を置き、すね顔のa主任の「せーの」の掛け声に合わせて仕切り直し。「いっただきまーす♪」。

■すっぽこは“意外に”といったら失礼なぐらいの美味しさ



うどんばかりか、具さえも隠れて見えないほど、たっぷりとあんかけがかけられている。これがうどんに絡む。「お、おいしいじゃん、よかった…」と涙ぐみそうなa主任。すっぽこ衰退の理由は“おいしくないから”という仮説が現実になることを、よほど心配していたのだろう。
全体とろりとした触感のなかにあって、いくらのモチモチとした歯ごたえが、ほどよいアクセントになっている。実食の感激を味わいながら、すでに頭の中には「他店のすっぽこの味を全部確かめたい」という思いが湧き上がってくる。そばつゆがベースになる以上、店ごとにあんかけの味も違うだろう。具もしかり。しかし、最大の関心事は「トロミ具合」だ。このトロミの加減によって、味わいはかなり違ってくるという気がするのである。10月がさらに待ち遠しくなった。
実食後、a主任研究員、へっぽこ研究員とともに、今後の研究課題やすっぽこ復興プランで盛り上がる。その話はまた次号にて。

最後に。メニューにもないすっぽこを、わざわざ調理していただいた小出家本店さんに、改めて深く感謝!今度は「おばけそば」「たまごとじざる」を食べに行きます♪

すっぽこ研究所では、引き続き「すっぽこ」情報をお待ちしています。