置賜三十三観音巡礼 自転車旅 - 3
【2日目】
長井桜つづみ〜三十一番 五十川〜三十二番 森の〜十番 宮野〜十七番 芦沢〜
五番 久野本〜六番 時庭〜四番 中村〜3番 黒澤〜十一番 萩生〜二番 高峰〜
十四番 おいため〜泊:米沢窪田水辺の楽校 温泉:賜の湯(徒歩)
1泊目の野営地とした長井の桜つづみは、
激しい雨のせいで心地良くくつろぐというわけには
いかなかったけれど、なかなかのロケーション。
もう少し水場・トイレが充実して、
さらに温泉が徒歩圏内にあれば言うことなしだなぁ。
さて、2日目は昨日時間切れで回れなかった
五十川観音、森の観音からスタート。
札所の近くには、幹線道路からの入り口や周辺に
赤い幟が立てられているのだが、
一様に決まりがあるわけでなく、迷うことも少なくない。
自転車だとかなりの時間的なロス。
だから「この辺かな」と思ったら、地元の人を見つけて聞いた方が早い。
と言っても、誰も見当たらないことが多いのだけれど...(笑)
置賜三十三観音霊場 第三十一番札所 桜本山 正寿院(五十川観音)
置賜三十三観音霊場 第三十二番札所 金剛山 真光寺(森の観音)
至るところで僕たちを迎えてくれる、桜花の毛氈。
満開を過ぎた桜の物寂しさと、雨に洗われた木々の中に観音堂の佇まいは、
心を凪のように静めてくれる。
置賜三十三観音霊場 第十番札所金剛山 遍照寺(宮ノ観音)
長井の總宮神社の境内にある馬頭観音が宮ノ観音。
詳しくは分からないが、神社に観音様という取り合わせに時々出会う。
札所は寺院や別当であるから、
仏教に位置することは間違いないのであるが、
そもそも三十三観音とは、
あらゆる人を救い、あらゆる願いをかなえるため、
三十三の姿に変身することから来ている。
ニュアンス的には(笑)古来からの「八百万の神」の概念に近い気がする。
そういう意味では、近隣の民衆のより近くに寄り添っているのが、
観音様と言えるんじゃないだろうか。(テキトー 笑)
置賜三十三観音霊場 第五番札所 普門山 観音寺(九野本観音)
置賜三十三観音霊場 第六番札所 大雄山 正法寺(時庭観音)
1日目と変わって時々うっすらと晴れ間も見え始めため、
おゆずりを着て走る。やっぱり巡礼旅はこうでなきゃ。
(のんべぃヨリコの「山形のお酒大好き」 より)
時庭観音の御朱印所に行くと、そちらの奥様が対応してくれる。
聞けば1時間ほど前に、おゆずり姿で走る僕たちを見かけ、
方向的にウチにも来るんじゃないかなと思い、
早めに戻ってきてみたところだと言う。
ウレシイね。
雨がおさまっているかわりに、長井盆地特有の風に悩まされる。
しかし、どうして向かい風というやつは、
違う方角へ向かってもまた「向かい風」になるんだろう...。
13時を過ぎたので、まだ行ったことのなかった拉麺二段に向かう。
店がオープンしてだいぶ経ち、評判はよく耳にしていたが、
なかなか機会がなかったのだ。
注文したのは、煮干し肉そば850円。
えーっと、その感想は...
「期待を上回らない美味しさ」でした(笑)
食べ終わって店を出るなり、雨、再開...。
道向かいにあるつつじ公園に移動して、カッパを着込む。
強烈な雨男、裕也と旅をする以上、
はなっから覚悟してるので、平常心を保つ。
とは言えだ、芦沢観音までの登り坂、
斜め上には青空が見えてるのに、僕らの頭上だけ雨っていうのは
実に勘弁してほしいものだ。
置賜三十三観音霊場 第十七番札所 龍賓山 雲洞庵(芦沢観音)
置賜三十三観音霊場 第三番札所 曹伯山 高伝寺 (黒澤観音)
置賜三十三観音霊場 第四番札所松尾山 天養寺(中村観音)
黒澤観音から中村観音までの途中も強風、
さらに公式サイトでチェックした場所と違っていて道に迷う。
しかもエグい直線の登り。
まだこの日に回る予定の札所をいくつも残している。
置賜三十三観音霊場 第十一番札所 大行院 瑞雲寺(萩生観音)
置賜三十三観音霊場 第二番札所 珠淋山 源居寺(高峰観音)
何度か書いているように、
御朱印所での受け付けは朝の7〜8時から夕刻17時までと決まっている。
観音堂の脇や裏に、いつでも捺せるよう置いてあるところもあるし、
多少の融通はきくのだろうと思う。
ただ、それも行ってみないと分からない。
萩生観音に着いた時点で16時半。
次の目当て、高峰観音のある手ノ子までは、
いつものペースだとギリギリ間に合うか、間に合わないかだ。
そこで、サポートカーを先に行かせ、
御朱印だけをもらっておくことにした。
実際に到着したのは、16時59分だった(笑)
実は、川西のおいため観音と米沢の成島にある上小菅観音も
予定に入っていたのだが、ここで時間切れ。
しかも20km以上走らないと、今日のキャンプ地に辿り着けない。
...なんてことを休憩がてら話していたら、
おいため観音は御朱印が外に置いてあり
時間に関係なく捺せることが判明。
どうせ、通り道だし、寄ってしまおうと走り出した。
置賜三十三観音霊場 第十四番札所 松光山 大光院(置霊観音)
本当のラスト。
無事に御朱印をちょうだいする。
辺りはすぐに暗闇に変わる。
途中のコンビニで軽くお腹を満たしつつ、
真っ暗な田んぼの中の県道をひた走り、
20時を過ぎてようやく、最上川河川敷にある窪田水辺の楽校に辿り着いた。
そして、急ぎテントを設営し、急ぎ生ビールで乾杯し、
急ぎ近くの「賜の湯」で汗を流したのだった。
その後、陣中見舞いに駆けつけてくれた、
大宮くん、ケンちゃん、タキちゃんを交えて飲んで食べて、
最上川の川音を子守歌にしながら眠りについた。
明けて3日目は朝から雨交じりのものすごい強風。
近所に住むミユキさん、リュウくん親子から、
せっかく豪華な朝食を差し入れしてもらったのだが、
予定していた巡礼は中止することを決断。
自転車をクルマに積み、帰りがけに
広介記念館前にある「むくどりの湯」に浸かって山形へ戻った。
水辺の楽校には、しょぼい水場とソーラー電源のトイレが整備され、
僕らのほかにもう2組のキャンパーがいた。
置賜地方には、温泉が隣接するようなキャンプ場がとにかく少ない。
その中では、街中にあって「賜の湯」まで徒歩圏内のここは、
かなり貴重な存在だと言える。
米沢、南陽の十五札所を残しているので、
次回もこの水辺の楽校に1泊して回ろうと思う。
【番外編】
帰り道、岩部山を越したら、
なんのことはない晴れ間も見えて無風。
まぁ、しょうがない。
出発地点のコンビニとうかいに無事に帰着後、
天気があまりに良かったので、
濡れたキャンプ道具を広げて乾かしながら、
なんとなく宴会が始まっってしまい、
そのまま夜までズルズルと... おしまい(笑)
残り十五札所の自転車巡礼旅につづく。
写真:一部を除きすべてSIGMA DP1x
観音堂モノクロ版はこちら → 置賜三十三観音巡礼 - 1 mono http://on.fb.me/LSUf1u
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