KHS F20-R 夏旅330km[3]

■8月20日(木)/3日目 走行距離:約86km

鬼首・吹上高原キャンプ場〜荒雄湖湖畔公園〜R108(羽後街道)〜鳴子温泉〜R47(北羽前街道)〜古川〜R108(石巻別街道)〜涌谷〜R346〜鹿島台〜R346〜松島町町民の森[野外活動センター]
 
 
【鬼首】

5時起床。
朝露か、霧雨か、
目が覚めると、外光に透けてフライに水滴がびっしり。
文字通りの水玉模様が美しい。
インナーテントがフルメッシュのMSRハバならではの光景。
撤収を考えるとうっとうしい思いもあるが、
これもまたキャンプの楽しさである。

さて、と、フライ前室の片側だけを開け、
昨朝同様にコーヒーを入れて、携帯食で空腹を満たす。
到着後のビールと、起き抜けのコーヒー。

至福。

着替えを済ませてからテント内で荷物をまとめ、
テントはまるごとトイレ前の軒下に移動して畳んだ。
インナーは濡れないように気をつけて専用のスタッフバッグに入れ、
サイドバッグのゴミ袋の内側へ。
フライとフットプリントは、テキトーに丸めてゴミ袋の外側へ。

"防水システム"というと大げさだが、
ぼくはサイドバッグ用のレインカバーを持っていないため、
中にゴミ袋を突っ込み、濡らしたくないものはその中に、
濡れても平気なものはその外側にパッキングしている。
建物に内断熱と外断熱があるように、
この場合は、「内防水」とでも言おうか...。
雨が降り出すたびにレインカバーを付けたり外したりの
煩わしさがないし、実に使い勝手がいい。

【鳴子温泉】

出発、7時。
湿った空気はいくぶんドライになった。
鳴子温泉までの道のりを思うと、
レインウェアを着込まずに走れるのはなによりだ。
とは言え、アップダウンはあるものの、
標高的には"下り"なので、思っていたよりも苦労せずに
鳴子大橋のR47まで辿り着いた。
温泉街は朝霧に煙っていた。

そのまま東鳴子温泉まで走り、
町外れのサンクスでおにぎりとカップ豚汁を買い、
朝飯第二弾。



【岩出山町】

国道の多くは市街地を迂回するバイパス化が進み、
普通に走っていると、町を素通りしてしまう。
旅の面白さって街道沿いの街並みを眺めることだと
思っているぼくは、途中、なるべくバイパスからはずれ、
生活感の漂う街中に入るようにしている。
*「町」と「街」をあえて混在させて書いている

伊達政宗の居城があった岩出山町も古い町。
一部道路拡張が行われ、新しい街区もあるが、
辻々に趣のある木造の商家やかつての旅籠らしき建物が点在する。
クルマがすれ違えないような小路もたくさんあり、
もう一度ゆっくり散策したいと思った。

持っていったデジカメのバッテリーが根性なしの互換品だったせいで、
3日目朝から黄色点灯しはじめ、先を考えて、
街並みの撮影を控えてしまったのが悔やまれる。
*ここから先写真が少なめなのもそんなワケです

【古川】

古川が近づくと、R47も道幅が広がり始め、
路肩を走るストレスがだいぶ和らぐ。
東北自動車道の古川I.C.を過ぎたあたりで、
ロードサイドに、「とんかつ たいこう  次の信号左折」の看板。
見ると11時半開店。
時計は11時前。
食べたいな〜、でも待つのも時間がもったいないかな〜。
そんなことを迷いつつ目当ての交差点に入り、
左方向に目をやるとツルハが見えた。
とんかつはともかく、
持ってきた燃料用アルコールが切れかかっていたので、購入。
ツルハを出て「たいこう」の店の前を通ると、
11時ちょい過ぎなのに、暖簾が出ている♪

店に入り、「一番のおすすめはなんですか?」と聞き、
迷わずそれにする。

SPF豚さくらとんかつ定食。1,344円。

ごはんと味噌汁とおかずと小鉢と漬物と...。
ちゃんとした"食事"は久しぶりだったので、ものすごく贅沢な気分。
高校野球をテレビ観戦しながら、ゆっくりと味わった。
「たいこう」は、えびフライも評判な人気店らしく、
ぼくが店を出るときには、
12時前にもかかわらず、ほぼ満席状態だった。



「とんかつ たいこう」
宮城県大崎市古川北町1-3-3
0229-23-4755

【松島】

R108を進み、涌谷からR346に入り、
鹿島台を抜けて一路松島町へ。
涌谷もあえてバイパスではなく街中を進んだが、
中心商店街のさびれ方と反比例して、
由緒ありそうな建物が次々と現れ、目を楽しませてくれた。
自転車旅ならではの良さである。

自転車旅と言えば、一番の肝は、
どこで飲料用アルコール(食材含む)を仕込むか、である。
早めに買い過ぎると、重くなった荷物を積んで
長い距離を走ることになるし、買いそびれたら一大事。
なので、朝のうちから最終買い出し可能地が気にかかる。
そればっかり考えて走っていると言えなくもない(笑)
(万一買いそびれた場合の保険として、いいちこを300ml常備している)

本日のルート上では、鹿島台に狙いをつけた。
案の定、マックスバリューを発見し、
またしてもビール3本、ワイン、ブロック氷を購入。
さらに、最終夜なので、貝付きホタテ、
手羽元も合わせて買い足した。



野外活動センターは、松島の海岸線から約5kmほど手前、
松島町町民の森内にある。
国道沿いの看板から入るとすぐに道が左右に分かれ、
左が介護福祉関係の施設、右が野外活動センター。
短いながらもアプローチはやっぱり急な登り坂。
ペダルを踏み込む掛け声は「ビール!ビール!ビール」である。

野外活動センター着、15時半。

古いタイプの、と言うか、青少年自然の家的な施設。
センターハウスの奥にキャンプサイトがあり、
炊事場、トイレは比較的新しく、
掃除が行き渡っていてキレイだった。
ゴミは持帰りが原則。
その割に利用料が1,500円はちょっと高いなぁ。
しかも17時以降は管理者がいなくなる日もあるようなので、
早めに到着する必要がある。
*遅入り、早出すればタダか...って話は読まなかったことに(笑)

受付を済ませる時、介護福祉施設に
外来入浴可能なお風呂があると教えてもらって大喜び。
炊事場での水浴びを覚悟していたので、これはウレシイ誤算。
そそくさと缶ビールの1本目を空けながらテントを設営し、
ぶらりぶらりと入浴施設「どんぐり」まで歩く。
下って上って、下って上っての往復だったけれど、
風呂上がりに丘の上の涼しい風が心地良かった。

「どんぐり」は入口を入ると関係部署の役所みたいで、
カウンターのはじっこが入浴受付。
お風呂はその右奥に進んだ先にある。とまどう。




テントサイトに戻り、
2本目の缶ビールをぐびぐびしながら、調理。

まずはホタテ×2。
Trangiaのストームクッカーはこんな使い方もできる。
ストーブ本体は地面に置き、
風防の下だけを五徳代わりに。

次は手羽元。
熱したフライパンにオリーブオイルをしき、
風呂に行く前にクレージーソルトで下ごしらえしていた
手羽元を並べる。
皮側からこんがりと焼き上げたら出来上がり♪
ビールは3本目に。

締めはアラビアータ。
レトルトソースを温め、茹でたサラスパと
ただ混ぜ合わせただけなのだが、ワインにぴったり。


ミニマグライトをランタン代わりにして
1人ディナーを満喫しつつ、松島の夜は更けていく。
明日の最終日は初の輪行。
 
 
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