ビフォーアフターアフター:離れ
■ビフォー:解体前の七日町の1F客間と玄関
客間(新築時は車庫だった)と正玄関をつぶしたスペースがあれば、義母の居室を十分な広さで1階に確保できるのではないか。この素人思い付きをきっちり受け止め、設計図に落とし込んでくれた瀬野さん、金内さん。これが実現しなければ七日町リノベーションは成り立っていない。
「ビフォーアフターアフター:玄関」のエントリーで書いたように、写真の正玄関は家人が利用することはなく、ほんのたまに訪れる親戚や知人のためだけのもの。客間もしかり。文字通り来客を通す部屋であり、延べ床面積30坪程度の狭小住宅には負担が多すぎた。
■アフター(素撮り):七日町リフォーム、オープンハウス時(引き渡し直前)
ビフォーアフターの写真は、ほかのエントリー同様、ほぼ同じアングルで撮影したもの。
劇的にリノベーションされているのがよく分かりますね。
七日町の家は、一言で言い表せば「ほぼ完全分離型二世帯住宅」。
実の母娘とは言え、それぞれのライフスタイルがありプライバシーがある。30年近く別々に暮らしていれば尚更のこと。だからよく言われる「スープの冷めない距離」を、三層屋内で叶えた。
それが、2・3階の私たち夫婦の家(母屋)、1階の義母の家(離れ)という考え方。玄関、1−2階の階段、2階通路、浴室、洗濯室、物干し場が、どちらの家にも属さない屋外=共有部分となっている。
この「離れ」は、杉の床材とシナベニヤの壁を家全体の統一意匠としながら、きちんと縁のある畳、白ペイントの天井で「母屋」よりは上品で落ち着く空間に仕上がった(笑)
■アフターアフター:引っ越し約1カ月後の暮らしぶり
40年分の家財を解体前に徹底的に断捨離してもなお、義母の思いに繋がる荷物はたくさんあって、工事中は仮住まいのマンションにとりあえず運び入れていた。仮住まいからの引越し時にさらに要不要を整理し、なんとか収まった。
写真のフレームの外に、写らないようにずらした荷物が実はいっぱいあったり…(笑)
でもまぁ、器が入れ物を決める。
引越し後はなにか雑然とした感があった空間は、暮らしているうちに少しずつ収まりが良くなり、それなりに快適に過ごしているようだ。なにより、仮住まいからもともと生活を営んできた場所に戻ったことで、とても安堵している。
すぐ上の、声が届く母屋には娘夫婦がいるしね。
長生きしてくださいよ。
設計監理:瀬野和広 + 設計アトリエ
設計共同:金内勝彦設計工房
施工:ますかわホーム(升川建設株式会社 ハウス事業部)
建築写真撮影:長岡信也(←施主 笑)
■ビフォーアフターアフター:茶の間
■ビフォーアフターアフター:階段
■ビフォーアフターアフター:階段2
■ビフォーアフターアフター:玄関
■ビフォーアフターアフター:ベランダ